目元の老化現象について「見た目の変化」と「組織の変化」についてそれぞれお伝えいたします。
上の図は加齢による目元の変化を示した図ですが、その変化が①から順番にでてくるわけではありません。
また、それぞれ症状の出方は個人差があります。
たとえば、①の症状は強く出ているのに②はほとんど出ないなどあります。
以下、順にご説明いたします。
皮膚とそのすぐ裏にいる眼輪筋という筋肉が緩んできます。
ごく、軽度の場合はゆるみというよりは「小じわ」という症状ででてきます。
やがて、大きなシワや、指でつまめるようなたるみになります。
皮膚・眼輪筋のゆるみが強いとそれだけでも目の下に影がでてきます。
涙袋は皮膚と筋肉のかたまりですのでお若いころにはぷりっとしていますが、だんだんゆるくなり形が分かりにくくなってきます。
眼球のクッションの役目になっている眼窩脂肪が皮膚と眼輪筋の裏に存在しています。
その眼窩脂肪は眼窩隔膜という透けて見えるほど薄い膜で包まれています。
また膜の一部には細い靭帯(横走靭帯)が走っており、それらが眼窩脂肪を支えています。
その膜や靭帯がゆるんでくると眼窩脂肪がセリだしてきます。
せり出した眼窩脂肪は皮膚や眼輪筋を押し出すため、なお一層①の皮膚や眼輪筋が緩んでしまいます。
(と、一般的には言われていますが、私自身はその説に疑問を持っております。また、別の機会に書かせていただこうと思います。)
①②の下にくぼみができることがよくあります。(実際にはお若いときから個性の範囲内で窪んでいることもあります。)
加齢とともにでてくるこのくぼみは主に脂肪の萎縮およびゆるみと靭帯の存在によります。
この辺の脂肪は2種類の脂肪があります。
一つは皮下脂肪(malar fat)、もう一つは骨(骨膜)のすぐ上に重なっている脂肪(SOOF)です。
これらの脂肪が萎縮することでくぼみが目立ってきます。
またこの目の内側から頬にかけてのくぼみのところには骨から皮膚に向かって立ち上がる2つの靭帯があります。
一つは目袋の形を作っている靭帯(orbicularis retaining ligament)です。
もう一つはいわゆるゴルゴ線という線を作っている靭帯(zygomatic ligament)です。
靭帯周囲の脂肪組織が萎縮することでくぼみがでてきます。
さらに脂肪組織および皮膚が緩むことによって靭帯部分で垂れ下がるため、靭帯部分のくぼみが強調されてきます。
③の現象が起きる結果、緩んでしまった皮膚および皮下組織が下垂して法令線の影が強調されることになります。
たるみが法令線の上にたまってしまうため、顔の重心が下がって見えてしまいます。
たるみが進行すると大きな3つの島があるように見えます。
それらの島は靭帯のある溝によって区切られています。