目の下のクマが気になるとこことでした。
拝見しますと目の下の膨らみと赤茶色のクマが存在している状態でした。
今回は色々とご相談させていただき、経結膜脱脂法+微細分離脂肪注入をさせていただきました。
術後はクマの影および色は術前より改善しており予定通りの経過かと思われましたが、術後2ヶ月半のときに診せていただいたときは以下のことがかなり気になるようでした。
①上まぶたが窪んで目が小さくなったと思う。職場で周りの人からもそういわれる。
②右まぶたが重い感じがする。以前よりある肩こり、頭痛がひどくなった。
術前の段階で「右目のまぶたが窪んでいるのですが手術後に窪むことはありませんか」という質問をいただいていたので「脱脂で上まぶたはくぼむ?」に書いてあるような内容をご説明し、窪む可能性があることをお伝えしました。
また、軽度の眼瞼下垂症があったのでそのこととくぼみ目の関連性についても一般的なお話をさせていただいておりました。
術後2ヶ月半の段階で①上まぶたが窪んで目が小さくなったということに関しては私自身の診察では分からなかったのですが、職場の周りの方がそのようにおっしゃるとのことでしたので微妙にそのような変化があったのかもしれません。
また、②まぶたの重みや肩こり、頭痛がひどくなったことに関しては術前に把握していた眼瞼下垂症の不定愁訴が強くなった印象がありましたので、腱膜性眼瞼下垂症の診断に用いる点眼薬で検査をしました。
通常、この点眼薬を用いると腱膜性眼瞼下垂症があると目が開くようになるのですが、そのときは肩こりがよくなり、目が開きやすくなったとのことでした。
ただし、私が拝見したところでは目の開きは特に変わりませんでした。
術後6ヶ月のときに再度診察をさせていただきました。
①「上まぶたのくぼみはまだあるけどこれはどうすることもできませんよね。」とのことでした。私自身の診察では術後2ヶ月半のときと同様に上まぶたのくぼみや目の小ささは分からなかったのですが、ご自身としてはやはり術後の経過として感じられているようでした。
②また、まぶたの重みなどは特にないとのことでした。
経結膜脱脂法後にまぶたが窪むかどうかについては私なりの今現在の考えを「脱脂で上まぶたはくぼむ?」に書かせていただいております。
術後の実際の経過として上まぶたが窪んでいるかどうかは事実はともかく、まぶたのくぼみを気にされている方はそのように感じられる可能性があります。
ですので本当にあり得るかどうかということは抜きにして、「経結膜脱脂法後にまぶたはくぼむことがある。」とお伝えしております。
また、術後に「目が小さくなることがあるか」というテーマについても今回の症例のようにご本人様がそのように感じられて、また周りの人からもそのように言われるということであれば普段から接している人から見ればわかる範囲の変化があるのかもしれません。
術後2ヶ月半のときに気にされていた瞼の重みなどの症状は眼瞼下垂症の随伴症状に似ていました。また点眼薬による検査をして不定愁訴が改善されたところをみると経結膜脱脂法と眼瞼下垂症の症状が出てくるなどの関連がもしかしたらあるのかも知れません。
あるいは、ただ単に眼窩脂肪を分部切除しているという外科的な刺激による違和感なのかもしれません。
これも推測の域をでません。
美容医療、特に美容外科手術は体にメスを入れるという現実に加え、その後の経過をどう感じるかという複雑な要素が絡まって満足度として評価される医療であるというよい例だと思います。
ご本人様の感じる「術後の上まぶたのくぼみや目が小さくなったこと」に対してはどのようなこともして差し上げることが出来ないという現状がのこりました。
私自身に見えない症状を改善して差し上げることができないという力不足です。
また、眼瞼下垂症の随伴症状のような症状も確信がもてなかったため積極的な治療をご提案することはできませんでした。自信がないからです。
つまり、何もさせていただけることがなかったということになります。
経過とともにまぶたの重みなどは改善されたようでしたが逆にいうと経過をみるしかないという状態でした。
今回は結果的に非常に満足度の低い治療となってしまいました。
術前にこのような経過(このように感じる経過)があらかじめ予想ができていれば手術をしないという選択もあったと思います。
私自身の未熟さを痛感する症例でしたが、美容外科で目元のクマやたるみの治療をご検討されている方へ参考になると思いご紹介させていただきました。
治療を担当させていただきありがとうございました。
施術名:経結膜脱脂法+微細分離脂肪注入
リスク:腫れ、内出血、痛み、しこりの形成、左右差、脂肪生着率の個人差など
費用:44万円(税込み)