「まだヒアルロン酸注入で大丈夫でしょうか」
「ヒアルロン酸注射と目の下の膨らみを取る(脱脂)のとはどっちがいいのでしょうか」
というご相談をいただくことがあります。
ここでは目の下の膨らみに対するヒアルロン酸注射の効果と限界についてお伝えいたします。
目の下の膨らみやたるみによるいわゆる影クマに対してヒアルロン酸注射を行うことによってその症状を改善することができます。
例えば以下のように目の下の膨らみの影に対してその影を埋めるように注射をします。
実際には、この影を消す場合には膨らみの下にのみ注射をするとうまく消せないことが多いので影を消すことを目的に立体的に注射を行う必要があります。
ところが目の下の膨らみやたるみが強い場合にはそれらを隠すようにヒアルロン酸を注入してもどうしても消せないという限界がでることがあります。
単純に言うと膨らみが強すぎて影が完全に埋まらないというパターンです。
また、なんとか膨らみに伴う影を埋めれたとしても顔がパンパンになりすぎてバランスが悪いということもあります。(いわゆる「ヒアルロン酸顔貌」といえる状態です。)
この方は目の下の影を改善する目的で以前にヒアルロン酸を目元に注入されていました。
しかしながら影はあまり改善しなかったのでもう少し良くしたいということで手術を含めて検討されていました。
症状を拝見しますと目の下の強い膨らみの下にヒアルロン酸が注入されておりその下に影が存在していました。
膨らみに合わせてヒアルロン酸を入れているために膨らみがより大きく見えている状態です。
目の下の膨らみが強い場合に目元のヒアルロン酸注入をお受けになるとこのような状態になることは珍しくありません。
この状態に対してさらにヒアルロン酸注射によって影を改善しようと思うとできなくはありませんがかなりパンパンな顔になってしまいます。
(そもそもヒアルロン酸では影が隠せないことも多々あります。)
今回は一旦、目元のヒアルロン酸をヒアルロン酸分解注射によって溶かしてから再度目元の膨らみ、たるみの症状を評価することにしました。
まずは膨らみを改善することを目的に経結膜脱脂法+脱脂分注入をさせていただき、目元をフラットな状態にしました。
横から評価すると良く分かりますが経結膜脱脂法によって膨らみが無くなった分、目元がスッキリした状態となり、膨らみが無い分その影もなくなりました。
また、目の下の膨らみによって隠されていた涙袋がでてきています。
このように膨らみが強い場合には、その影を埋めようとしてその影にのみにヒアルロン酸注射を行うと膨らみがより大きく見えることがあります。
そのような状態で困った場合にはヒアルロン酸を分解してから膨らみを減らすなどの戦略に切り替えた方が目元を良く見せるうえでは近道ということもあります。
ただし、それはそれでシワが増えてしまうかもしれないなどのデメリットも考慮して天秤にかける必要があります。